feel NIPPON 春 2022 開催レポート feel NIPPON 春 2022 開催レポート

共同展示商談会
「feel NIPPON 春 2022」開催

日本商工会議所は、2022年2月8日(火)から10日(木)の3日間、東京ビッグサイトにて開催された、国内最大級のギフト商品見本市「第93回東京インターナショナル・ギフトショー」と同時開催の「第31回グルメ&ダイニングスタイルショー」において、各地商工会議所または小規模事業者等が地域資源や伝統、技を活かして作り上げた特産品・観光商品等を集めた共同展示商談会「feel NIPPON 春 2022」を開催しました。

出展は現状を打破して前進するためのチャンス

今回の見本市の開催期間中は、新型コロナウイルス感染症拡大の第6波の到来もあり、出展企業数や来場者数等の減少が懸念されていました。
しかし、「feel NIPPON 春 2022」には全国29都道府県から47商工会議所が出展(「春」の展示会への初出展は6 商工会議所)。
「第93回東京インターナショナル・ギフトショー」の総来場者数も144,923人(速報値)という盛況ぶりとなりました。

感染症の拡大状況について出展企業からは、「出展を申し込んだのは、感染状況がおさまっていた時期。ところが今年に入って一気に拡大。正直なところ、出展をキャンセルしようかどうしようか、迷いもしました」という声がいくつかあがっていました。
それでも出展に踏み切った理由は、次のような総意に集約されます。

「感染症が全国に広まってからのこの2年間、展示会も制限されて足踏み状態。なにかやらなければ、ダメだと思っていました。ギフトショーは、いろいろな業種のバイヤーさんとの出会いが期待できます。販路の整備や新規開拓にうってつけの展示商談会です。いまこそチャンスだと決断し、出展にいたりました」

これまでfeel NIPPON の共同展示商談会に複数回出展している商工会議所の担当者からは、「外に出ないで内にこもってばかりいると、事業者様のモチベーションも下がってしまいます。現状を打破するための絶好の機会と捉えて、地元の事業者様にお声がけしました」とのこと。

同じように複数回出展している別の商工会議所担当者も、「イケイケ Go、Go!で事業者を募って出展しました(笑)。ただし、感染状況をないがしろにしたわけではありません。出展に際して、感染症対策をどう徹底するか、試飲や試食を行う場合は、安全をどう担保するのかなど事前にシミュレーションを重ねて会場に乗り込んできました」としています。

厳しい環境下にあっても、地元経済をどう立て直し、まわしていけばいいのか──今回の共同展示商談会は、各地商工会議所と出展を決めた事業者にとって、現状を打破して前進するための契機になりました。

多種多様なバイヤーと質の高い商談ができた商談会

感染症が確認されてからのこの2年、せっかく構築した販路が停滞したり、売り上げが低迷したりした事業者が少なくありません。

一方で、「商品のブラッシュアップ、新商品の企画開発に役立てることができた期間でもありました」という声も数多くあがっています。

コロナ禍の停滞期間中に新商品を開発したり、以前から進めていた地元特産品のブランド化に成功したりと、商工会議所と事業者が一丸となって難局を乗り切ろうとしてきた努力の数々をうかがうことができました。

その発表の場となった今回の共同展示商談会について、両者の共通認識が「ギフトショー」というキーワードでした。

「ギフトショーには多種多様なバイヤーさんが来場します。『食』『技』『旅』といったカテゴリーを問わないことが魅力です。カテゴリーが限定された共同展示商談会ではありませんので、大袈裟にいえばどんな商品でもアピールできます。しかも、思いもしないアドバイスやヒント、提案をいただくことができます」

コロナ禍で深刻な売上減に悩んでいた飲食関係の事業者によれば、「小規模のホテルからの引き合いもあったし、コラボの提案などのお声がけをいただきました」という成果もあがっています。

様々な業種のバイヤーの来場も成果の後押しになりましたが、コロナ禍によって来場者の質の違いを指摘する声もいくつかありました。

「人流そのものは2年前に出展したときより、やはり少ないかも。しかし、こういう時期だからなのか、様子見の来場者が少ない。ブースに立ち寄っていただいた来場者は熱心に耳を傾けてくれますし、質の高い商談ができた展示商談会という印象です」

出展の成功を左右する商工会議所と小規模事業者の創意工夫

来場者で賑わっている出展ブースの特徴といえそうなのが、商工会議所と事業者の密なリレーションです。

前記したように「イケイケGo、Go!」で事業者に声をかけながらも、事前準備をしっかりしてきた商工会議所のブースには来場者が絶えないほど。

今回の共同展示商談会を新商品デビューの場と位置づけ出展した商工会議所のブースもそのひとつ。地元の歴史と伝統を活かした商品コンセプトだけではなく、商品パッケージや陳列方法などを事業者といっしょになって検討を重ねてきたとのことです。
そうした努力の成果である赤を基調にしたディスプレイは、feel NIPPON のなかでも特に目を惹くブースとなり、大盛況でした。

ディスプレイだけではなく、商談を成功させるための事前準備に時間を費やした商工会議所もありました。
「2019年以来の出展ですが、商工会議所として事業者様をどうバックアップすればいいのかの検討を重ねてきました。その一環として行ったのが、出展事業者様を対象にしたセミナーの開催です」

三日間にもおよぶセミナー内容は、共同展示商談会で商談を進めるうえでのレクチャーが主軸。今回の出展にあたっては、出展事業者それぞれの特色を踏まえた「商談シート」を作成し、バイヤーに対して商品特徴ならびに事業内容を円滑かつ的確にアピールできるよう後押ししていました。

出展事業者からも、「商工会議所主催のセミナーは、バイヤーさんとの商談に臨むにあたり、たいへん参考になりました。あらかじめ用意した商談シートも、商談をスムーズに進めるうえでとても助かりました」と高評価を得ていました。

展示会に限らず、商工会議所と事業者の密な連携は事業を結実させるためには不可欠なファクター。

コロナ禍にあって苦戦を続けている事業者に対し、補助金や助成金などに関する情報提供や支援は商工会議所の重要な役割。もう一歩踏み込んだ事業者支援に取り組む商工会議所の姿勢が見て取れるブースのひとつでした。

ブースの展示方法でユニークだったのが、「臭覚」に訴えて来場者の足をとめるという手法を導入した出展事業者です。
地元の名所跡にあったクスノキを有効活用した商品を訴求するため、クスノキの木屑を展示。クスノキが放散する芳香に思わず足をとめる来場者も少なくなかったといいます。

「話を聞いてもらうには、まずはブースに興味を持ってもらうこと。SDGs やサスティナブルの時流もあって、クスノキ商品のほかに用意した酒粕を使った化粧品についても、関心を寄せてもらうことができました」

事業者の創意工夫も展示会出展を成功させるかどうかの重要なポイントになっています。

「旅」の観光商品でコロナ禍のピンチをチャンスに変える

今回の共同展示商談会は時節柄「食」と「技」の出展がほとんどでしたが、新庄商工会議所と佐原商工会議所は「旅」での出展がありました。

2つの商工会議所とも共通しているのが、「コロナ禍のピンチをチャンスに変えたい」という思い。

新庄商工会議では今回の出展について、「観光商品はコロナ禍にあって厳しい環境にあるのはたしかです。しかし、ウイズ・コロナに思考を切り換える時期ではないかと思い出展を決めました」とし、「地元の特産品を外にアピールするだけではなく、地元に足を運んでもらって体験していただく。その意味では、地方にチャンスありと考えています」と期待を寄せています。

新庄商工会議所が出展した観光商品は、ハイブランド志向のお客さまに向けた「森川雪古」とカジュアル志向の「森川雪子」のふたつ。自然が育んだ食や技、伝統文化を満喫できる観光商品になっています。ブランディングに着手したのは約2年前のこと。今回の出展では、来場者へのアンケートを実施して市場ニーズをリサーチするという明確な目標を持って臨みました。

ちなみに、「森川雪古」は新庄市だけのプロジェクトではありません。新庄市を含む山形県最上地方の自治体を巻き込んだ観光商品。地元の商工会とも連携してのプロジェクトになっています。
実はこうした取り組みへと発展できたのも、feel NIPPON が一役買っていたそうです。

「新庄は新庄だけという限定的な考えではなく、地元が持っているポテンシャルを最大限に活用するには、他とも連携することが大切です。そのことの大切さを教わったのがfeel NIPPON であり、これまで参加した共同商談会で得ることのできたノウハウでした」

一方、佐原商工会議所ブースでは、佐原商家町ホテル NIPPONIAが「まち全体がホテルになる。」のキャチフレーズで観光商品を展開しています。プロジェクトのスタートは約4年半前のこと。現在、築100 年超の古民家や蔵を含む建物を改装し、宿泊施設、飲食店などとして蘇らせた「古民家ホテル」は、12棟13室にまで拡大しています。

コロナ禍にあっても評価は上々。その理由について佐原商工会議所の担当者は次のように教えてくれました。

「感染症対策はもちろんですが、他のお客さまとの接触する機会が少ない分散型になっています。こうした安心感が、この時期にあってもお客さまの満足度を高める要素にひとつになっています。また、お客さまからの要望に対し、臨機応変に対応できるオーダーメード型になっていることも見逃せません。佐原は東京から約1時間半というロケーション。首都圏との距離の近さも見逃せない好調要因のひとつになっています」

すでに観光商品が順調に動き出している佐原商工会議所ですが、今回の出展ではさらに佐原ブランドをアピールしたいという狙いがありました。

「ブースに展示したポスターを見ただけで、『江戸の風情が残るいい街ですね』とお声がけいただけました。これからも佐原独自のスタンスでアピールし、地元の『食』と合わせて佐原の魅力を強力にアピールしていきたいと思っています」

コロナの感染状況が今後どうなるかは未知数です。
しかし、経済を立て直し、まわしていかなければならない時期が到来しているのはたしか。

「多種多様な業種のバイヤーと接点を持つことができた」「具体的な販路が期待できる商談のヒット率が高かった」などの評価を数多く得ることができた今回のfeel NIPPON の共同展示商談会──地域経済を活性化させるための一助となり、これからにつながる大きな起爆剤になったようです。

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