共同展示商談会
「feel NIPPON 春 2021」開催
日本商工会議所は、商工会議所の共同展示商談会「feel NIPPON 春 2021」を食の総合見本市「第29回グルメ&ダイニングスタイルショー春2021」と同時開催しました。

昨年にも増して活発な情報交換
今回開催された「feel NIPPON 春 2021」には21商工会議所が出展しました。
「グルメ&ダイニングスタイルショー春2021」を含めた全体の来場者数は、3日間で約11,400人となりました。
来場者の減少に対し、昨年出展した事業者からは
「たしかに来場者数は少ないように思えるが、昨年よりも今年の方が手応えを感じている」
「商品の説明や開発経緯などにじっくりと耳を傾けてくれて、的確な質問などで気づかせてもらうことが多かった」
との声が多く聞かれました。
また、複数回出展している商工会議所の担当者は、
「感染症の影響で中止や延期になる展示会が多く、それが影響してビジネスマッチングの場も減っている。情報を求めているのは出展側もそうだが、それは来場者も同じ。そのため、今回はより明確かつ具体的なビジネスチャンスを求めてブースを訪ねてくる来場者が多かった」
と分析していました。
また、事業者の一人からは、
「こうした時期に情報を求めてきた来場者だけに、ブースの滞在時間も長くじっくりと話をすることができた。すぐに見積もりや取引条件とまではいかなかったが、コロナ禍にあっても次につながるいい準備ができたと思う。ピンチはチャンスといえばいいのか、しっかりと種まきができた三日間だった」
と前向きなお話しを頂きました。


コロナ禍だからこそ前に出る姿勢を明確に出展
今回で通算15回目となる「feel NIPPON 春 2021」ですが、
非常事態宣言期間中にもかかわらず、この度出展した意図や狙いをたずねると、
「こういう時期だからこそ、対外的にアピールしたかった」
という声が多く、共通に聞かれたのは
「感染症拡大の影響で様々な業種・業態の売上が落ち込み、地域経済は大きなダメージを受けている。なにもしなれば、このまま押し流されてしまうだけ。厳しい時期だからこそ、地元が誇る新しい商品や情報を多くの人たちに発信し、知ってもらうためにも前に出るべきだと考えた」
というものです。
もちろん、共同展示商談会への出展は情報発信だけが目的ではなく、
「出展した新商品に関するアンケート調査を行った。現場でしか得ることのできない生の声を商品のブラッシュアップにつなげたい」
「地元では認知されているが、対外的なアピールはこれから。販路開拓のきっかけとして、ここで得られた情報を活用したい」
「地方にいると新しい情報が入手しづらい。そうであれば、自分たちが積極的に前に出て、情報を取りにこなければならないと考えた」
と、情報収集に力を入れる商工会議所や事業者も多くありました。


実際の成果をたずねると、
「食品として展示していたが、『この素材ならコスメにも使えるのでは』という貴重な提案をいただくことができた。思いもしなかった着眼点だっただけに、地元に持ち帰ってブラッシュアップの参考にしたい」
と、たしかな手応えを伺った事業者もありました。
また、販路開拓について具体的な狙いを持って参加された事業者は、
「飲食業界が落ち込んでいる首都圏への販路拡大。ポスト・コロナを見据えて、地元のブランド酒を取り扱ってくれる小売店との出会いを求めて出展に踏み切った」
と、逆風にあるからこそのビジネスチャンスに期待を寄せていました。


感染症対策の創意工夫で集客につなげる
今回の「feel NIPPON 春 2021」では、ブースの配置を一昨年と同じように「食・旅・技」の各テーマを基準に展開。
さらに感染症の予防対策として密を防ぎ、適切な距離をとった商談スペースを広く取っていたのが特徴です。
そのため来場者も三密を回避しつつ、安心してブースを回れたことで滞留時間が長くなるという相乗効果も見受けられました。
また、出展ブースでもコロナ禍らしい創意工夫を凝らした商工会議所が目にとまりました。
日本酒やワインなどを出展していたブースでは、セルフサービスで試飲ができる足踏み式の特製の試飲器を準備。
極力、接触を避けながら数種類の日本酒やワインを試飲してもらったことで、次々と来場者が訪れては舌鼓を打ちつつ、商品の特徴や開発ストーリーに耳を傾けていました。
同じように来場者が切れ間なく訪れていたのが、感染症対策を見据えた衛生用品を出展していたブースです。
「新たに開発した感染症対策商品の販路拡大を目的に出展したが、来場者の関心の高さが伝わってきた」
と、手応えを口にしていました。


感染症の拡大により地域経済も厳しい状況下にありますが、地元の商工会議所を核とした事業者は「ピンチはチャンス」と全力を注いでいます。
その意味でも今回の共同展示商談会は、平時のときとはまた違うチャレンジ精神で「feel NIPPON」の存在感を改めてアピール出来たと言えるのではないでしょうか。